元の世界に帰ることが出来なくなってしまったので、魔王の城で、のんびりとスローライフみたいなことをしていきたいと思います。
元の世界に帰ることが出来なくなってしまったので、魔王の城で、のんびりとスローライフみたいなことをしていきたいと思います。
<キャラクター紹介>
まったりと追加及び修正をしていきたいと思います。
名前:畑中未来
性別:女
年齢:18歳
一人称:あたし
髪の色:黒
目の色:茶
設定:勇者レックスによって元の世界が消滅する寸前、魔王アレス・アブストラクティドによって、異世界に転移した少女である。 とりあえず、人里離れた場所にあることから、スローライフみたいなことを魔王の城で始める。異世界に転移したことが切っ掛けで、本人に隠された能力として魔法が開花していく。
名前:アレス・アブストラクティド
性別:男
年齢:不詳
一人称:我
髪の色:銀
目の色:緑
設定:世界の中心であるカルビィーア・エルネイドの中にある、ヴィンセント城に棲む魔王。魔王という概念から人々から恐れられているが、本人は一切、人々を襲わず、極めて平和主義である。
名前:スライスト
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:僕
髪の色:緑(人型)
目の色:青(人型)
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。スライムであるが、人型を取ることも可能である。
名前:ドライム
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:吾
髪の色:青
目の色:緑
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。ドラゴンで、火を扱う魔法を得意としている。
名前:キメーリア
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:俺
髪の色:金
目の色:金
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。キメラである。
名前:セイラ
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:あたい
髪の色:水色
目の色:黄緑
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。ハーピーである。
名前:リアン
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:私
髪の色:ピンク
目の色:赤
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。人面樹で、常に人型を取っており、料理担当をしているが、肉を焼くことしか分からない。
まったりと追加及び修正をしていきたいと思います。
名前:畑中未来
性別:女
年齢:18歳
一人称:あたし
髪の色:黒
目の色:茶
設定:勇者レックスによって元の世界が消滅する寸前、魔王アレス・アブストラクティドによって、異世界に転移した少女である。 とりあえず、人里離れた場所にあることから、スローライフみたいなことを魔王の城で始める。異世界に転移したことが切っ掛けで、本人に隠された能力として魔法が開花していく。
名前:アレス・アブストラクティド
性別:男
年齢:不詳
一人称:我
髪の色:銀
目の色:緑
設定:世界の中心であるカルビィーア・エルネイドの中にある、ヴィンセント城に棲む魔王。魔王という概念から人々から恐れられているが、本人は一切、人々を襲わず、極めて平和主義である。
名前:スライスト
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:僕
髪の色:緑(人型)
目の色:青(人型)
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。スライムであるが、人型を取ることも可能である。
名前:ドライム
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:吾
髪の色:青
目の色:緑
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。ドラゴンで、火を扱う魔法を得意としている。
名前:キメーリア
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:俺
髪の色:金
目の色:金
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。キメラである。
名前:セイラ
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:あたい
髪の色:水色
目の色:黄緑
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。ハーピーである。
名前:リアン
性別:不詳
年齢:不詳
一人称:私
髪の色:ピンク
目の色:赤
設定:アレス・アブストラクティドによって生み出された、魔物。人面樹で、常に人型を取っており、料理担当をしているが、肉を焼くことしか分からない。
- ・ edit・
元の世界に帰ることが出来なくなってしまったので、魔王の城で、のんびりとスローライフみたいなことをしていきたいと思います。
<プロローグ>
「はぁ~………ここで好きなことを思うままにしてもいいと言われたけど、野菜作りから始めるとは思いもしなかったなぁ。まぁ、別にいいんだけど。野菜は嫌いじゃないし」
だってさ?仕方ないじゃん?
この世界は、食材といえばさ?
モンスターの肉だけという食材なんだ。
他に野菜とか果物とか小麦とか米という食材はないという、残念過ぎる世界。
序でに調味料も無かった。
普通、塩ぐらいはあるのかなと思ったんだけどね。
えっ!?その前にあたしがこんな所にいるのかって話だよね。
とりあえず、まずは軽く自己紹介します。
あたしの名前は、畑中未来。
髪は黒で、目は茶という生粋の日本人。
高校3年生で、今年18歳になったばかりの大学受験生。
だったんだけどさ?
何かさ?あたしのいた世界が消滅する寸前、ここを管理する魔王アレス・アブストラクティドによって異世界に転移させられたんだ。
で、ここは、カルビィーア・エルネイドって呼ばれる異世界にある、ヴィンセント城。
ここへと転移してしまった訳には、数日前にこんなことがあったんだ。
それは、あたしが志望大学へとセンター試験を受けに行く当日の朝だった。
「受験票よし!筆記用具よし!御守りよし!大学まで乗り換えと地図もよし!貴重品よし!参考書…とりあえず1冊だけ。うん。コレで荷物は大丈夫かな」
今、あたしは、バッグの中に必要なモノを再確認していた。
何しろ、大学受験生のあたしは、今日がセンター試験という日なのだ。
ファンタジーの世界に憧れる、あたしは、中世ヨーロッパの歴史を学ぶために大学進学を考えていたんだ。
「そろそろ行かないと遅刻するぞ。未来」
「分かってるよ。お父さん」
下から父である、畑中誠也に言われるままに、あたしは下へと降りたのである。
「じゃあ…行って来ます」
「ああ。頑張って来いよ」
父に見送られながら、あたしは家へと出たのだった。
因みに家族構成は、父、畑中誠也、母、畑中智香、兄、畑中健司の4人家族。
母と兄は、まだ朝が早いことから、ぐっすりと寝ているというに羨ましいんだよね。と思いつつもあたしは、最寄り駅へと着くと同時に電車に乗ったのである。
(ん…?何アレ?)
ふと、あたしは、窓に光が見えると同時にシュッと消えてしまったのである。
「つぅ…!いたたた…。何、ここ?電車の中じゃない?って誰!?」
思わずとあたしは、お尻を打ちながら見渡すものの、すぐ傍に誰かがいることに気付いたのである。
「大丈夫であるか?そなた」
「は、はい。って…えっ!?」
「ふっ…無理もないのも仕方ない。我はアレス。アレス・アブストラクティドである。ここは、カルビィーア・エルネイドと呼ばれる世界にある我が城ヴィンセント城。咄嗟のことでそなたをここへと転移したのだ」
一気にスラスラと言われ、頭が追い付かないんですけど?
つまり、アレスさんにここ異世界に転移させられたってことだけは分かった。
何たって異世界に転移させられたのかどうかは分からないけどさ。
「え、えっと…」
「そなた。名を何と言うのだ?」
「は、はい。畑中。畑中未来と言います。え、えっと…アレスさんでしたっけ?」
「そうだ。それよりもそこを打ったのだな。我に任せてくれ」
アレスは、そう言いながら≪治癒魔法・大≫を唱えたのである。
「あ、ありがとう」
「いや、我がちゃんと着地させなかった方が悪いのだ。すまない」
「い、いえ。そんなことは………」
あたしはそう言ったつもりだったが、お腹の音がぐぅーと鳴ってしまった。
何?あたしってば、緊張感がないじゃん。
その場の空気を乱してどうするよ!?
ってか、大学の最寄り駅に着いてから軽くマクドで朝食を摂るつもりだったんだよね。
大学の下調べで近くにあるのは、確認済だったし。
「お腹が空いているのだな。まずは食事にしよう」
「は、はあ…すみません」
「気にしなくても良い。我が行ったことだから」
アレスにそう言われるまま、あたしは、荷物の入ったバッグを持って一緒に歩き始めたのである。
「あの…どうしてあたしは、転移させられたんですか?他の人は、どうしたんですか?」
「それは、そなたがちょうど我がこの世界の中心の中にいたからだ。すまないな。そなたと同じ世界の者を救うことが出来なかったのだ」
「救う?」
「そうだ。その話は食事しながらにしよう」
そうアレスは言いながら、広々とした食事する部屋へとあたしを案内したのである。
それにしても、異世界か。
遅かれながら、異世界レビューするとは思いもしなかったなぁ。
だってさ?
異世界に転移とかする主人公の名前は、何か名前からしてイケてるし。
だというのに、ごく普通の平凡の名前のあたしが異世界に転移して良かったのだろうかと思いつつ、今はこの状況に理解するしか無かったのだった。
「はぁ~………ここで好きなことを思うままにしてもいいと言われたけど、野菜作りから始めるとは思いもしなかったなぁ。まぁ、別にいいんだけど。野菜は嫌いじゃないし」
だってさ?仕方ないじゃん?
この世界は、食材といえばさ?
モンスターの肉だけという食材なんだ。
他に野菜とか果物とか小麦とか米という食材はないという、残念過ぎる世界。
序でに調味料も無かった。
普通、塩ぐらいはあるのかなと思ったんだけどね。
えっ!?その前にあたしがこんな所にいるのかって話だよね。
とりあえず、まずは軽く自己紹介します。
あたしの名前は、畑中未来。
髪は黒で、目は茶という生粋の日本人。
高校3年生で、今年18歳になったばかりの大学受験生。
だったんだけどさ?
何かさ?あたしのいた世界が消滅する寸前、ここを管理する魔王アレス・アブストラクティドによって異世界に転移させられたんだ。
で、ここは、カルビィーア・エルネイドって呼ばれる異世界にある、ヴィンセント城。
ここへと転移してしまった訳には、数日前にこんなことがあったんだ。
それは、あたしが志望大学へとセンター試験を受けに行く当日の朝だった。
「受験票よし!筆記用具よし!御守りよし!大学まで乗り換えと地図もよし!貴重品よし!参考書…とりあえず1冊だけ。うん。コレで荷物は大丈夫かな」
今、あたしは、バッグの中に必要なモノを再確認していた。
何しろ、大学受験生のあたしは、今日がセンター試験という日なのだ。
ファンタジーの世界に憧れる、あたしは、中世ヨーロッパの歴史を学ぶために大学進学を考えていたんだ。
「そろそろ行かないと遅刻するぞ。未来」
「分かってるよ。お父さん」
下から父である、畑中誠也に言われるままに、あたしは下へと降りたのである。
「じゃあ…行って来ます」
「ああ。頑張って来いよ」
父に見送られながら、あたしは家へと出たのだった。
因みに家族構成は、父、畑中誠也、母、畑中智香、兄、畑中健司の4人家族。
母と兄は、まだ朝が早いことから、ぐっすりと寝ているというに羨ましいんだよね。と思いつつもあたしは、最寄り駅へと着くと同時に電車に乗ったのである。
(ん…?何アレ?)
ふと、あたしは、窓に光が見えると同時にシュッと消えてしまったのである。
「つぅ…!いたたた…。何、ここ?電車の中じゃない?って誰!?」
思わずとあたしは、お尻を打ちながら見渡すものの、すぐ傍に誰かがいることに気付いたのである。
「大丈夫であるか?そなた」
「は、はい。って…えっ!?」
「ふっ…無理もないのも仕方ない。我はアレス。アレス・アブストラクティドである。ここは、カルビィーア・エルネイドと呼ばれる世界にある我が城ヴィンセント城。咄嗟のことでそなたをここへと転移したのだ」
一気にスラスラと言われ、頭が追い付かないんですけど?
つまり、アレスさんにここ異世界に転移させられたってことだけは分かった。
何たって異世界に転移させられたのかどうかは分からないけどさ。
「え、えっと…」
「そなた。名を何と言うのだ?」
「は、はい。畑中。畑中未来と言います。え、えっと…アレスさんでしたっけ?」
「そうだ。それよりもそこを打ったのだな。我に任せてくれ」
アレスは、そう言いながら≪治癒魔法・大≫を唱えたのである。
「あ、ありがとう」
「いや、我がちゃんと着地させなかった方が悪いのだ。すまない」
「い、いえ。そんなことは………」
あたしはそう言ったつもりだったが、お腹の音がぐぅーと鳴ってしまった。
何?あたしってば、緊張感がないじゃん。
その場の空気を乱してどうするよ!?
ってか、大学の最寄り駅に着いてから軽くマクドで朝食を摂るつもりだったんだよね。
大学の下調べで近くにあるのは、確認済だったし。
「お腹が空いているのだな。まずは食事にしよう」
「は、はあ…すみません」
「気にしなくても良い。我が行ったことだから」
アレスにそう言われるまま、あたしは、荷物の入ったバッグを持って一緒に歩き始めたのである。
「あの…どうしてあたしは、転移させられたんですか?他の人は、どうしたんですか?」
「それは、そなたがちょうど我がこの世界の中心の中にいたからだ。すまないな。そなたと同じ世界の者を救うことが出来なかったのだ」
「救う?」
「そうだ。その話は食事しながらにしよう」
そうアレスは言いながら、広々とした食事する部屋へとあたしを案内したのである。
それにしても、異世界か。
遅かれながら、異世界レビューするとは思いもしなかったなぁ。
だってさ?
異世界に転移とかする主人公の名前は、何か名前からしてイケてるし。
だというのに、ごく普通の平凡の名前のあたしが異世界に転移して良かったのだろうかと思いつつ、今はこの状況に理解するしか無かったのだった。
- ・ edit・
元の世界に帰ることが出来なくなってしまったので、魔王の城で、のんびりとスローライフみたいなことをしていきたいと思います。
<第1話>
あたし、畑中未来。
一応、大学受験生の18歳。
趣味は、アニメ・ゲームという極めて普通の高校3年生…だったんだけど、何が何やらと訳が分からないまま、ここ異世界である、カルビィーア・エルネイドへと転移した、生粋の日本人なのである。
「な、何だか凄い量ですね」
テーブルの上に次から次へと運ばれて来る、お皿にドンと何かの肉を焼いただけのモノが並べられながら、思わずという形であたしは言った。
「うむ。何しろここは、我とそなた以外に様々な魔物が棲んでおるからな」
「ま、魔物…!?ということは危険ではないでしょうか?」
魔物っていったら、人を襲うって聞くし。
そもそも、アレスさんって何者!?
パッと見た所、人間…ってことはないよね。
「気にしなくても良い。我が生成した魔物は、理性を持っているし、危険ではないのだ。因みに我は魔王であり、魔族である」
「ま、魔王…!?」
「うむ。魔王だからといっても、我は人を襲う側ではないぞ。寧ろ…この世界は人の方が危険なのだ」
「う、うーん。言われてみれば、人間の方は何か理由を付けて人同士で傷付け遭っているんですよね」
理由といっても、何一つと原因となる理由はないのだ。
蔑ろに相手のどこどこが気に食わないからと、人は相手を簡単に傷付けてしまう存在なのだから。
「そういうことだ…」
そうアレスは返すと、朝の訓練を終えた魔物達は、人型で中に入って来たのである。
「今日はいつもよりもお早いですね。アレス様」
「うむ。スライストこそ朝の訓練、ご苦労様」
「いえ。え、えっと…そちらの方は?」
「ああ。彼女はハタナカ殿だ。我がここ異世界に転移した人間の少女だ」
「畑中未来です。宜しく」
「スライムのスライストです」
「す、スライム…?」
「ああ。他には…」
「吾はドラゴンのドライム。宜しく頼む」
「は、はい」
「あたいはセイラ。ハーピーよ」
「俺はキメーリア。キメラだ」
次から次へと魔物は、人型を取りながら、畑中に一匹ずつ挨拶していったのである。
「何だか盛り上がっていますわね。ああ…私は人面樹のリアンですわ。宜しく」
最後の最後に何かの肉を焼いただけのお皿を持って来た、ピンクの髪に赤の目のした、リアンと名乗った、人面樹は言ったのだった。
「では、みんな揃った所で、頂こうか」
アレスは、魔物が揃った所を確認しながら言うと、日本と同じように「いただきます」という挨拶と共に周りの魔物達は、食べ始めたのである。
「え、えっと…コレって何のお肉ですか?」
「うむ。コレはベビーモスで、こちらの右はボルドー、左はアルミラージという我が食用として生成した魔物だ」
「ま、魔物の肉…ですか」
「うむ。遠慮する必要はないぞ」
「そ、そうですね…。で、では…お言葉に甘えて……………」
早速だけど、まずは味の想像が出来そうにないベビーモスから…あ、アレ?味…しない?
あたしの気のせい…かなぁ?
「どうだ?ハタナカ殿」
「す、すみません。塩、ありますか?」
素材の旨味を引き出すために、あたしは思わずと聞いてしまった。
別にコレは失礼なことではないと思っているから。
「シオ…?何なのだ?それは?」
「え、えっと…ですね。素材の旨味を引き出す調味料ですよ」
「うむ…。そのような大層なモノは聞いたことがないな」
「ええ。何ですか?」
近くに座っていた、スライストも気になって返したのである。
「う、うーん。この世界の魔法ってどういう形で出来るんでしょうか?」
「うむ。魔法は本人の意思次第で出来るが。強い意志が強ければ、魔法はそれに応えてくれるのだ」
後は経験を何度も積むしか無いのだと、アレスは言ったのである。
「強い意志…か。あたしは生粋の日本人だけど、出来るかなぁ…」
「大丈夫だ。我が見た所、そなたのマナは莫大だ」
「マナ…?」
「マナとは魔法が使うエネルギーみたいなモノですよ。ハタナカ殿は今まで使ったことが無かったんですか?」
「はい。というよりもあたしのいた世界では、魔法なんかの類いは、アニメやゲームなんかの世界だけでしたし」
というよりも、実際問題さ?
魔法が何度も使えたらなと思ったことが数知れずなんだよね。
子どもの頃から意味も無くと集団でいじめられて来たから。
なので、今度こそ、志望大学で自分を変えるんだと思って遠くの大学を選んだ訳だし。
合格したら、高校卒業後、大学の近くに住むつもりだったんだけどなぁ…。
「では、試しにやってみると良かろう」
「そ、そうですね。やってみます」
え、えっと…マンガの中に召喚魔法があったから、見様見真似って形で試しにやってみようかな。
≪出でよ…塩≫
あたしは、アレスやスライストに言われるままに試しに魔法を唱えてみたのである。
あたし、畑中未来。
一応、大学受験生の18歳。
趣味は、アニメ・ゲームという極めて普通の高校3年生…だったんだけど、何が何やらと訳が分からないまま、ここ異世界である、カルビィーア・エルネイドへと転移した、生粋の日本人なのである。
「な、何だか凄い量ですね」
テーブルの上に次から次へと運ばれて来る、お皿にドンと何かの肉を焼いただけのモノが並べられながら、思わずという形であたしは言った。
「うむ。何しろここは、我とそなた以外に様々な魔物が棲んでおるからな」
「ま、魔物…!?ということは危険ではないでしょうか?」
魔物っていったら、人を襲うって聞くし。
そもそも、アレスさんって何者!?
パッと見た所、人間…ってことはないよね。
「気にしなくても良い。我が生成した魔物は、理性を持っているし、危険ではないのだ。因みに我は魔王であり、魔族である」
「ま、魔王…!?」
「うむ。魔王だからといっても、我は人を襲う側ではないぞ。寧ろ…この世界は人の方が危険なのだ」
「う、うーん。言われてみれば、人間の方は何か理由を付けて人同士で傷付け遭っているんですよね」
理由といっても、何一つと原因となる理由はないのだ。
蔑ろに相手のどこどこが気に食わないからと、人は相手を簡単に傷付けてしまう存在なのだから。
「そういうことだ…」
そうアレスは返すと、朝の訓練を終えた魔物達は、人型で中に入って来たのである。
「今日はいつもよりもお早いですね。アレス様」
「うむ。スライストこそ朝の訓練、ご苦労様」
「いえ。え、えっと…そちらの方は?」
「ああ。彼女はハタナカ殿だ。我がここ異世界に転移した人間の少女だ」
「畑中未来です。宜しく」
「スライムのスライストです」
「す、スライム…?」
「ああ。他には…」
「吾はドラゴンのドライム。宜しく頼む」
「は、はい」
「あたいはセイラ。ハーピーよ」
「俺はキメーリア。キメラだ」
次から次へと魔物は、人型を取りながら、畑中に一匹ずつ挨拶していったのである。
「何だか盛り上がっていますわね。ああ…私は人面樹のリアンですわ。宜しく」
最後の最後に何かの肉を焼いただけのお皿を持って来た、ピンクの髪に赤の目のした、リアンと名乗った、人面樹は言ったのだった。
「では、みんな揃った所で、頂こうか」
アレスは、魔物が揃った所を確認しながら言うと、日本と同じように「いただきます」という挨拶と共に周りの魔物達は、食べ始めたのである。
「え、えっと…コレって何のお肉ですか?」
「うむ。コレはベビーモスで、こちらの右はボルドー、左はアルミラージという我が食用として生成した魔物だ」
「ま、魔物の肉…ですか」
「うむ。遠慮する必要はないぞ」
「そ、そうですね…。で、では…お言葉に甘えて……………」
早速だけど、まずは味の想像が出来そうにないベビーモスから…あ、アレ?味…しない?
あたしの気のせい…かなぁ?
「どうだ?ハタナカ殿」
「す、すみません。塩、ありますか?」
素材の旨味を引き出すために、あたしは思わずと聞いてしまった。
別にコレは失礼なことではないと思っているから。
「シオ…?何なのだ?それは?」
「え、えっと…ですね。素材の旨味を引き出す調味料ですよ」
「うむ…。そのような大層なモノは聞いたことがないな」
「ええ。何ですか?」
近くに座っていた、スライストも気になって返したのである。
「う、うーん。この世界の魔法ってどういう形で出来るんでしょうか?」
「うむ。魔法は本人の意思次第で出来るが。強い意志が強ければ、魔法はそれに応えてくれるのだ」
後は経験を何度も積むしか無いのだと、アレスは言ったのである。
「強い意志…か。あたしは生粋の日本人だけど、出来るかなぁ…」
「大丈夫だ。我が見た所、そなたのマナは莫大だ」
「マナ…?」
「マナとは魔法が使うエネルギーみたいなモノですよ。ハタナカ殿は今まで使ったことが無かったんですか?」
「はい。というよりもあたしのいた世界では、魔法なんかの類いは、アニメやゲームなんかの世界だけでしたし」
というよりも、実際問題さ?
魔法が何度も使えたらなと思ったことが数知れずなんだよね。
子どもの頃から意味も無くと集団でいじめられて来たから。
なので、今度こそ、志望大学で自分を変えるんだと思って遠くの大学を選んだ訳だし。
合格したら、高校卒業後、大学の近くに住むつもりだったんだけどなぁ…。
「では、試しにやってみると良かろう」
「そ、そうですね。やってみます」
え、えっと…マンガの中に召喚魔法があったから、見様見真似って形で試しにやってみようかな。
≪出でよ…塩≫
あたしは、アレスやスライストに言われるままに試しに魔法を唱えてみたのである。
- ・ edit・
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