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<栃木県>27年前の予防接種被害を救済

  1. 2017.09.16(Sat) _10:58:27
  2. ニュース
 はしかやおたふくかぜ、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンの接種後に健康被害が出たとして、予防接種法に基づく救済を訴えていた宇都宮市の女性(29)に対し、栃木県は15日までに、国が否定したワクチン接種と熱性けいれんの因果関係を認め、国の不支給処分を一部取り消す裁決を出した。女性は1990年にワクチンを接種していたが、救済制度の存在を知らず手続きが遅れた。20年以上前の被害が認定されたのは極めて異例だ。【野口麗子】

 今後、厚生労働省は審査をやり直し、医療費や医療手当の支給が認められる公算が大きい。同省によると、一度否定された健康被害が認められた事例は10例あるという。

 裁決などによると、女性は1歳9カ月で接種後、1週間から10日後に発熱があり、熱性けいれんと診断され、その後、てんかんや知的障害の症状も認められた。県は発熱の時期が副反応として想定される1週間から10日以内で、けいれんも起こした点を重視し、因果関係を認めた。

 女性らが救済制度を知り、2010年に始まった今回の救済手続きでは、国はカルテがないことなどから審査対象としなかったが、不服申立先となった県は一転、20年以上前の事案で、事実関係を証明する文書を提出できないことなどから、母親(57)の意見陳述などを基に審査した。

 一方、てんかんと知的障害については、ワクチン接種後に脳に何らかの障害がないため、関連を否定した。

 母親は「一部でも認められて良かったが、被害救済を申請するのが遅かったのが悔やまれる。年月がたって心が折れそうになることもあった」と話した。

 MMRワクチンは89年から定期接種が始まったが、髄膜炎などの副作用報告が多発。同年中に国は希望者だけに接種する方針に切り替えたが、母親によると、90年の接種の際に医師から副作用についての説明はなかったという。同ワクチンの接種は93年以降は中止されている。

 【ことば】予防接種健康被害救済制度

 ワクチンの定期接種で副作用などの被害が出た場合、国が治療費や障害年金などを補償する仕組み。市町村に申請し、厚生労働省の審査会が因果関係を認定すれば給付が受けられる。不支給決定などには、都道府県への不服申し立て(審査請求)ができる。1977年の現制度開始から2014年までの被害認定者数は2982人。任意接種やワクチン以外の医薬品による副作用被害には別の救済制度がある。
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