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「引きこもり」支援者に根強い“引き出せばいい”という錯覚の罪

  1. 2020.01.09(Thu) _10:28:58
  2. ニュース
● 「そのままでいいんだよ」 で本当にいいのか

 「引きこもりは家から外に引き出すべき」

 いまだに親や支援者の間には、そんな錯覚が根強く残る。

 昨年12月22日、東京大学で開かれたシンポジウム「発達障害とひきこもり」の場でも、象徴的なシーンがあった。

 「家の中は“安心”だから“そのままでいいんだよ”という環境づくりで、本当にいいのでしょうか?」

 筆者ら登壇者たちの話に対し、都内の若者就労の支援者とみられる人からそう質問された。

 「社会で傷つけられて恐怖を感じている当事者は、自宅以外に“居場所”がないという現実の中で外に連れ出されたら、いったいどこに行けばいいのでしょうか?本人の不安が取り除かれるまで、親として安心の場を保障してあげることは大事です」

 そんな趣旨の話をしたら、「実践的に、部屋に食事を届けるとか、ゲームをずっとやっていてもOKなのか?」「当事者のやりたいようにやらせておいていいのか?」と、しつこく聞いてきた。

 もちろん、この支援者の言うように介入は必要だ。しかし、その矛先が違う。生きるだけで精いっぱいの子の意識を変えようとするのではなく、憔悴した家族を支えて行かなければいけない。

 多くの親は相談に来ると、最初のころ「私ではなく、子どものほうを支援してほしい」「引きこもる子を外に出してほしい」などとよく言ってくる。しかし、当事者の中には、しんどさを紛らわすためにゲームで現実逃避せざるを得ない人もいる。それぞれの置かれた状況を受け止め、本人の目線に立って理解しなければならない。

 従来の「ひきこもり支援」施策が失敗続きだったのは、こうした親の意向を鵜呑みにし、本人の意思を無視して外に出し、意識が変わるまで自己分析を迫る洗脳的手法など、トレーニングの対象にしてきた支援者が多かったことにある。親には「事件になるぞ」と脅したり、本人を嘘で騙したりして外に連れ出すことが目的の“引き出し屋”と呼ばれるビジネスも、その延長戦上にある。

 「働きかけるタイミングとか、あると思うんですが…」

 実践論の答えを求めて、そう食い下がる支援者に、登壇者の1人で精神科医の斎藤環氏は遮るように、こう言い返した。

 「“やりたい放題やってるじゃないか”と親が思ってるということ自体、子どもと対話ができていない。親が対話をしていれば、子が苦しくてゲームしていることも理解できるはず。言えるのは、対話をしてくださいということだけです」

● 水面下で生きる当事者たちの声に どう耳を澄ませるか

 「ひきこもり支援」における支援のトレンドは、最近、間違いなく変わってきた。

 支援者が「引きこもることのできない家庭にしましょう!」などと親に呼びかけたら、社会に本人の思いを受け止める受け皿がまったくない中で、命のリスクにもつながる。親のニーズがどんなにあっても、本人の意向を無視したやり方は、“成果”が出ないし、見合わない。

 引きこもる背景や苦しみは、精神疾患や発達障害といった一面ではなく、見過ごされてきた多様性がある。その見えなかった多様さは、当事者たち自身が声を出して発信し始めたことにより、生み出されたうねりだ。支援者に求められているのは、こうして見えにくい水面下で生きている当事者たちの声に、どう耳を澄ませるのかではないのか。

 引きこもり支援歴40年以上で、いわば引きこもり支援のレジェンドともいえる、一般社団法人「OSDよりそいネットワーク」共同代表で、一般社団法人「SCSカウンセリング研究所」代表の池田佳世さんは、「介入すべきは親に対して」だとして、親の学習会に力を入れてきた。

 「親は自分の意見を一切言わず、子の話をよく聞き、安心オーラを与えると、最初はひどいことも言うかもしれないし、長い道のりだけど、子は自然に話してくれるようになる。子がやりたいと言っていることが一番正しい。これから自分が歩いていく道しるべなんですね」

● 介入は嘘で騙したり 脅したりすることではない

 池田さんは「親の価値観は、もはや時代遅れ」だと指摘する。

 「子どもは言葉を失っていることが多い。言葉を出してあげられるのは、家庭でしかできない。ご両親がわかってあげてほしいと、ご両親に一生懸命申し上げている」

 親が自分の枠を広げられれば、子も成長できる。一時、危ういことがあったとしても、外からいろんなことを言われても、親がしっかり支えてあげることが、子にとってはいちばんの土台になると、池田さんはいう。

 介入するうえで大事なのは、親の側に立つことではなく、子の味方になることだ。

 その目的は、嘘で騙したり、脅したりして、本人を外に連れ出すことではない。

 (ジャーナリスト 池上正樹)

 ※この記事や引きこもり問題に関する情報や感想をお持ちの方、また、「こういうきっかけが欲しい」「こういう情報を知りたい」「こんなことを取材してほしい」といったリクエストがあれば、下記までお寄せください。

 Otonahiki@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)

 なお、毎日、当事者の方を中心に数多くのメールを頂いています。本業の合間に返信させて頂くことが難しい状況になっておりますが、メールにはすべて目を通させて頂いています。また、いきなり記事の感想を書かれる方もいらっしゃるのですが、どの記事を読んでの感想なのか、タイトルも明記してくださると助かります。
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池上正樹
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